蕁麻疹
●蕁麻疹
蕁麻疹は皮膚科の病気の中では比較的よくある病気で、15~20%の人は一生のうちに一度は経験するといわれています。皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、かゆみを伴い、通常は数時間であとかたなく消えます。
●原因
発症して1ヶ月以上たつ慢性蕁麻疹は原因不明なことが多いですが、急性蕁麻疹は細菌やウイルスによる感染症、食事や薬剤によることもあります。アレルギーの場合とアレルギーでない場合があります。
食べ物ではサバやアジといった青魚、豚肉、タケノコなどがあります。またエビやカニ、果物が原因になることもあります。食物が原因となる蕁麻疹も、大きくアレルギー性のものと非アレルギー性のものがあり、特定の食品を食べると必ず蕁麻疹が現れるのはアレルギー性蕁麻疹の特徴の一つです。
一方、青魚、肉類、タケノコ、ほうれん草などの肉類、野菜類などで起こる蕁麻疹は、食品中に含まれるヒスタミン様物質によって起こります。同じ食品を摂取してもその日の体調や食材により症状が出たり出なかったりします。
ほかに摩擦、圧迫、日光、温熱、寒冷刺激、入浴や運動、精神的緊張などで出る汗で誘発される蕁麻疹(コリン性蕁麻疹)もあります。
●治療
蕁麻疹の治療は詳しい問診で、できるだけ原因・悪化因子を探し、それらを取り除く、または避けるようにすることです。
第2は薬による治療です。蕁麻疹は肥満細胞から遊離されたヒスタミンが血管および神経に働くことで症状が現れます。そこでこのヒスタミンの作用を抑えるために、抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬が用いられます。副作用として人により眠気を生じやすいものもあるので運転には注意する必要があります。
●生活指導
薬剤や食事などのアレルゲンが明らかになった場合には再度摂取することのないようにします。蕁麻疹の増悪因子となりやすい皮膚の摩擦、圧迫をさける、魚介類や肉類はできるだけ新鮮なものをとるようにする、防腐剤や色素を含む食品を控えめにする、お酒は控えるようにする、急激な温度変化をさける、などがあります。
また、慢性蕁麻疹を患っている人には自覚しないストレス状態にあることが多いようです。皮膚以外には身体の異常が見つからない場合には、自覚しないストレスに対する体からのサインと考え、生活を振り返ってみることもよいと思われます。