その他、ヘルペス、帯状疱疹
●単純ヘルペス
ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスによる感染症です。最もよくみられるのは口唇ヘルペスで熱がでたり、風邪を引いたり、日光に強くあたったりしたときに出ます。くちびるにぴりぴりとした水疱がでて、一般に“風邪のはな”、 “熱のはな”といわれます。治療は抗ウイルス薬の内服または外用となります。
●帯状疱疹
水ぼうそうのウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)に初めて感染すると、水ぼうそう(水痘)になります。抵抗力がついて水ぼうそうは治りますが、ウイルスは脳や脊髄にある神経節に潜伏感染という形で残ります。その後体の抵抗力が落ちたりしたときに再活性化して神経にそって皮膚に水疱を作るのが帯状疱疹です。つまり自分の体に眠っていたウイルスがでてくるのです。片側だけにでてきて痛みを伴うのが特徴です。お年寄りや病気、過労で抵抗力が落ちたときに多く見られます。時々帯状疱疹が治った後も神経痛が残ることがあります。早期に治療開始することが大切です。
治療としては、抗ウイルス薬を7日間内服となります。痛みに対しては、非ステロイド系消炎鎮痛薬(いわゆる痛み止め)、アセトアミノフェンなどを内服してもらいます。顔面や疼痛の強いもの、ほかの症状が合併する場合には入院のできる病院へ紹介することもあります。
●とびひ(伝染性膿痂疹)
原因は黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌です。乳幼児から、小学校低学年までの児童に多く見られます。黄色ブドウ球菌によるとびひは、薄い壁の大小さまざまな水ぶくれから皮膚が破れてじくじくします。化膿レンサ球菌によるとびひはかさぶたのあるとびひになります。
治療としては抗菌薬の内服となります。3−4日内服しても治らないかまたは悪化している場合は通常の抗菌薬が効かない菌の可能性があるので、抗菌薬の変更が必要です。
生活指導:
水疱、びらんの面積がそれほど広くなく完全にガーゼなどで覆えていれば登園は禁止しなくてもいいですが、園の先生には報告していたほうがいいでしょう。プールや水遊びは禁止となります。とびひの部位は石けんを使ってこすらず丁寧に洗ってシャワーで流しましょう。その後に抗菌薬を塗ってガーゼで覆いましょう。
予防として搔き壊さないように爪切りをまめにすることや、汗をかいたらすぐシャワーを浴び、こまめな着替えなどで、常に皮膚を清潔にするように心がけましょう。